第22回参議院選挙の投票日に読んだ処方箋 : 『手作り弁当を食べてる場合ですよ』角川書店 日垣 隆・著 

独立した職業人として、仰ぎ見るような存在の日垣 隆さんの最新刊。
格差社会を生き抜く処方箋」という副題がついています。

日垣 隆さんは、わたしが説明するまでもありませんが、
賞味期限の長い著書多数。
公式サイトガッキィファイターを運営。http://www.gfighter.com/
有料メルマガの読者多数。
現時点で日本国内の著者として最多数の電子書籍を自ら企画・販売。
最近は、いわゆるオーディオブックもご自分のサイトで販売を開始されています。

[たとえいつか原稿依頼がなくなっても、自分のメディアを日本と海外で持ち、
 多数の収入源を確保しておくことが、私の生活や言論や生き方の自由を保障
 してくれています。]p204

不況、不況といわれる昨今、大げさですが、国も地方自治体も会社も、自分の
生活のすべてを守り、保障してくれる訳ではない、という不安は、多かれ少なかれ、
誰しも持っているものだと思います。

[改善策は、二つあります。
 一つは、世界の国々を沈めて、とにかく日本が再浮上してゆく、という方向性です。
 もう一つは、全体状況がどちらに転ぶにせよ、個々人が可処分所得を増やしていくか、
 無駄や浪費を減らして、なおかつスキルをアップさせてゆく道(略)を選ぶか、
 です。]p12→略した部分は、ぜひ、本書を実際に読んでみてください。

目次
まえがき
序章 もう他人のせいにするのはやめよう
第一章 「いい人を目指したら自滅する」
第二章 みなと同じ事をやっても価値はない
第三章 じゃあ、お前がやってみろよ
第四章 格差社会を生き抜くサバイバル子育て論
終章 激変時代に読みたい10冊の新書
あとがき

詳細な目次は、ガッキィファイターに掲載されています。
http://www.gfighter.com/0004/20100708003694.php

社会人として生活を始めて20年経ちますが、今までに2度の転職を経験しました。
1度目は就職して2年目に。2度目は、18年間勤務した会社を、1年3ヶ月前に
退職しました。
今は、自分自身のスキルをもっとアップし、どんな事態が起こっても生き残れるだけ
の実力はつけていきたい、そんなことを考えながら日々の仕事に取り組んでいます。
子供が二人いますので、彼らを独り立ちさせるのも、わたしにとってはやりがいのある
、そしてなかなか骨の折れる仕事--というと味気ないですが、役回りです。

わたしにとって、日垣さんは、冒頭に書いたように仰ぎ見るような存在であり、
見習うべきところが満載の職業人であり、大人です。

[私は、自分で立てた数値目標は必ず実行する。歩合制のサラリーマンを経験している
からかもしれないが、その秘訣はとても簡単だ。それは、個人的年間目標は「実現できたら
うれしいこと」に限り、なおかつ「実行可能な数字にする」ということの二つである。]p34

[だが、近年、日本の働き手は三つの根源的危機に直面している。
①コンピュータやネットによって代替される労働は淘汰される。(例示あり。省略。)
②インドや中国など安価な労働市場にもっていかれる分野での賃金はどんどん低下
  せざるをえない。(例示あり。省略。)
③海外からの労働力移入がなされる分野でも、安定した収入はありえなくなる。(例示あり。省略。)
  以上要するに、代替のきく労働では今後は食い詰める。
 (略)
  では、どうすればいいのか。(後略)]p79

[自分の性分と置かれた立場に合わせ、それぞれが工夫して行動する。機会があれば交流して、
経験と知恵を交換する。
各人の研鑽と、努力を惜しまない個人同士の緩やかなつながりとが、社会全体の問題解決能力
を高めていくのだ、と思います。」

本書のタイトル『手作り弁当を食べてる場合ですよ』に込められた意味と実用性も、最後まで
読み通せば得心できる、と思います。

じゃあ、お前がやってみろよ、と言われた時に、おれはこんなことをやってるよ、と実際に
提示できる自分でありたい、と思います。